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歯石とは?
こんにちは!!歯科衛生士の鹿野です^^
今回は歯石についてお話したいと思います。
そもそも「歯石」ってどんなもの?
歯石とは、「歯にこびりついた汚れが石灰化したもの」のこと。
ネバネバした歯垢とは異なり、名前の通り石のように硬いものです。
その主成分は「リン酸カルシウム」で、歯垢(プラーク)や白血球の死骸などが、ミネラルの一種であるリンと、唾液に含まれるカルシウム成分で固められてできています。
歯石を取らずに放っておくと・・・?
実は、歯石それ自体は虫歯や歯周病の原因になることはありません。
病気の原因になるのは、あくまで歯垢です。歯石の中に潜んでいる細菌たちは、固められて無害化されているので、悪さができないのです。
では、なぜ歯石を取らなければならないと言われるのでしょうか?
その理由は、歯石が様々なお口のトラブルに繋がることがあるからです。
【歯石が招くお口のトラブル1】歯に歯垢が溜まり、虫歯や歯周病にかかりやすくなる
先に「歯石は歯垢を固め、無害化したもの」と説明しましたが、皮肉なことに、歯石は歯垢を歯に留まりやすくする性質も持っています。
歯石の表面を見てみると、軽石のようにザラザラとしており、たくさんの凹凸があります。ここに歯垢が引っかかってしまうのです。
これをそのまま放っておけば新たな歯石になりますが、歯垢が歯石になるまでには時間がかかります。その間に、歯垢に潜んでいる細菌が、歯や歯茎に悪さをしてしまいます。
よって、歯石の存在が虫歯や歯周病のきっかけになると言えるのです。
【歯石が招くお口のトラブル2】歯茎の炎症を引き起こす
歯石が付着するのは、歯と歯茎の境目付近や歯茎に隠れた歯の根元部分です。そのため、ものを噛んだときに歯が動くことで、歯石との間に摩擦が起こり、少しずつ歯茎が傷ついてしまいます。
歯石が少なければそれほど大きなダメージにはなりませんが、
歯石が大きかったり、数が多かったりすると、歯茎が炎症を起こしてしまいます。
【歯石が招くお口のトラブル3】口臭が発生する
歯石が歯茎に隠れた歯の根元部分にできると、空気と触れない場所なので、嫌気性菌と言う菌が増えていきます。嫌気性菌が産生するVSC(揮発性硫黄化合物)や揮発性窒素化合物が増加して、口臭が発生する原因になるのです。
よく歯石そのものが臭うものと思われがちですが、実際は歯石が引き起こすお口の構造の変化によって、口が臭うようになります。
また、口臭の原因としては歯周病も考えられます。これも歯石がきっかけになっていることがあるので、口臭が気になる方は是非一度、歯石の状態をチェックしてみてください。
歯石は誰にでもできるものなの?
歯石は誰のお口にもできるものです。たとえ毎食後にきちんと歯みがきをしていても、長く歯科医院でクリーニングをしていなければ、少しずつ蓄積していきます。
ただし、歯石のできやすさは人によって異なります。まずは、セルフケアをどれくらいやっているかで差がつきます。もちろん、しっかり歯磨きができていれば、歯石ができるスピードは緩やかになるでしょう。
その一方で、歯みがきを怠ると歯垢は2週間で歯石になると言われています。
また、セルフケアのレベルが同じであっても、クリーニングをしてから数週間で歯石ができ始める方もいれば、半年に1度のクリーニングで
十分に綺麗な状態を保てる方もいます。このような差が生まれる原因は、唾液にあります。
唾液の性質は、人によって違うものです。唾液に歯石をつくる成分が多く含まれているかどうかが、歯石のできやすさを左右します。
そのため唾液検査を行えば歯石のできやすさが分かり、クリーニングに通う理想的な頻度も見えてくるのです。
歯石はどうやって除去するの?
歯石の除去は、基本的に歯科医院で行います。具体的な歯石除去の方法には、以下の2つの種類があります。
1 スケーリング
最も基本的な歯石除去の方法です。スケーラーと呼ばれる専用器具を使い、歯にこびりついた歯石を取り除きます。歯茎より上の露出している部分はもちろん、歯茎に隠れた部分に潜む見えない歯石もしっかりと除去。歯茎に炎症が起きていて痛みがある場合は、麻酔を使用するケースもあります。
なお、スケーリング終了後には、歯の根元部分の表面を滑らかに整える「ルートプレーニング」という処置が行われることもあります。
2 フラップ手術
スケーリングだけでは歯茎の中の汚れを十分に落とせない場合、歯茎を切開して、中がきちんと見える状態にしてから歯石を除去します。この処置をフラップ手術といい、汚れを取り残すことなく、綺麗な状態に仕上げられます。処置が完了したら縫合して終了です。
自宅での「セルフスケーリング」は危険です!
最近では、インターネット通販などでスケーラーが販売されており、
歯石除去に必要な器具を簡単に手に入れられます。ただし、自分で歯石除去を行うのはかなり危険です。施術後にきちんと消毒できないと、
歯茎の炎症などのトラブルに繋がりかねません。また、「セルフスケーリング」では、歯茎の中の歯石は取れないため、結果も十分とは言えません。
まとめ
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今は予防歯科の時代です
予防歯科とは、虫歯や歯周病になる前に原因を治療してしまうというものです。
非常に軽い初期段階のうちに治療してしまえばリスクは減りますし、
早期発見できれば通院回数が減り、費用も少なく済みます。
予防歯科で重要なのは定期検診なのです!!
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《参考文献》
医科歯科.com
八王子・西八王子の歯医者 レイス虫歯クリニック 歯科衛生士 鹿野