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噛むことから考えるカラダの健康

こんにちは。歯科衛生士の和田です。
夏を目前に、オートミールダイエットを始めました。オートミールは調理方法によって味のバリエーションが広いので継続できそうです。
さて、私たちは噛むことによって美味しいものを味わいます。また生活の様々な場面では奥歯を噛みしめることで体全体のバランスを保っています。
今回の歯科治療コラムは『噛む』をテーマにしたお話です。
成長期には“よく噛む”ことが大切です。
現代は、柔らかく飲み込みやすい食物が多いように感じますが、噛む回数は時代とともに減少しています。
江戸時代には一度の食事で約1500回噛んでいたようですが、現代では約600回と半分以下にまで減少しています。食事にかかる時間は江戸時代には約20分、現代では約10分と半分の時間になりました。
成長期には、“よく噛む”ことが顎の骨や筋の発達を促します。
よく噛むことは唾液の分泌を促進します。私たちの唾液には、アミラーゼという消化酵素が含まれていて、デンプン質を分解する働きがあります。その過程で糖がつくられるのですが、糖がつくられるとお口の中は、むし歯になりやすい環境になります。
また唾液には残った食べかすを洗い流す自浄作用という働きもあります。唾液には、お口の中を、むし歯になりやすい環境から守る力があるのです。
よく噛むことは消化促進だけではなく、唾液を多く分泌することでむし歯予防にもつながるのです
「料理別咀嚼回数ガイド」を参考に噛みごたえのある食品をメニューに取り入れるのもいいですね。
歯並びによっては、噛む・すり潰すといった食物を飲み込む前の過程が正常にできないこともあります。
・お子さまの食事の時間が短い
・丸呑みしているようだ
・「よく噛んで」という言葉を頻繁にかけている
上記のようなことが気になるときには、かかりつけの歯科医院で相談してみてくださいね。
斎藤滋・柳沢幸江著『料理別咀嚼回数ガイド』(風人社)より
噛み合わせが原因で歯を失うこともあるのです。
歯を失う原因は、歯周病やむし歯が大きくなったことによる抜歯などさまざまです。
歯を失って義歯を使わずにいると、転倒するリスクだけではなく、認知症になるリスクも高くなります。
「失った歯は1本だけだから、不都合はない」と思われるかもしれませんが、空いたスペースに前後の歯が傾き、噛み合わせを失った上または下の歯は浮き上がってきてしまいます。
長期間そのままの状態では、全体の噛み合わせがバランスを崩してしまうことになりかねません。
また 歯ぎしりや歯列不正が原因で歯が揺れてきてしまい、やむなく抜歯となることもあります。
もしも歯を失ってしまったら、インプラントやブリッジ、義歯で空いたスペースを補いましょう。歯ぎしりには、型取りをして作るマウスピースを使い、過度にかかる歯への負担を軽減しましょう。
まとめ
さて、近年はスマートフォンの普及で俯いた姿勢でいる時間が長いという方も多いのではないでしょうか。
普段リラックスしているときには、上下の歯は接触せず顎の関節にも負担がかからないものなのですが、そのようなうつむいた姿勢でいると上下の歯は接触し、顎の関節に少なからず負担がかかります。
くいしばりや歯ぎしりによる顎の関節や筋肉の痛みを感じている方が増えているように感じます。
電車に乗ると、スマートフォンを片手に俯く多くの方を目にします。そういった生活習慣も顎の関節の痛みを引き起こす一因なのかもしれません。
数年前に薬膳を勉強して中医薬膳栄養師の認定をいただきました。
お口だけでなく、心・カラダ・全体をみることを心がけています。
先日梅雨入りしましたが、中国伝統医学ではこの季節は脾の季節と言われます。
邪気(病気のもと)は湿邪。体が重だるくなります。そして思い悩むといった感情を受けやすくなります。
悩み事で歯を食いしばっていませんか?
梅雨の晴れ間には、背筋をのばしてウォーキングなどをして気持ちの良い日をお過ごしください。
歯・心・カラダ。全てはバランスです。
八王子・西八王子の歯医者 レイス虫歯クリニック 歯科衛生士 和田