症例紹介
カテゴリー:
【症例】根尖病変を認める永久歯に歯髄保存療法を行った症例

症例情報
年齢 | 16才 |
---|---|
性別 | 男性 |
治療内容 | 歯髄保存療法、部分断髄 |
期間 | 1日 |
治療回数 | 1回 |
費用 | 歯髄保存療法 部分断髄:44,000円 バイオデンティン:16,500円 |
治療前の状態・主訴
15才の男の子で、特に症状はなく、虫歯があるとのことで来院されました。
左下5番に虫歯を認め、CT画像にて根尖に病変を認めます。しかし、慎重に様々な診査をしたところ、正常な歯髄反応を示し、歯髄は部分壊死の状態であると判断しました。
歯髄診査、x線診査の結果、患者様の背景などを加味した上で、治療の選択肢、そのメリット、デメリットを本人、家族に伝え、話し合った結果、生活歯髄療法(部分断髄)を行うこととなりました。
治療詳細
根管までアクセスし、3~4mm程度断髄すると出血のコントロールが可能となり、バイオデンティンというバイオセラミック剤にて覆髄しました。覆髄において、バイオデンティンはMTAと同等の効果が期待でき、MTAの欠点である歯質の変色を起こしづらい材料です。
治療後の様子
1年3ヶ月後に再評価を行いました。x線にて、覆髄材の下にデンティンブリッジの形成が認められ、歯髄の生活維持を示しています。また、根管壁の厚みも増加しており、、歯根の正常な成長も確認できます。
また、歯質の着色もほとんどなく、審美性も確保することができました。
主な副作用・リスク
生活歯髄療法で経過が不良の場合、根管治療へ移行します。
生活歯髄療法(部分断髄)の成功の鍵は、慎重な診査・診断です。
根尖に病変が認められても、歯髄が完全に壊死しているとは限りません。部分壊死の状態の場合、部分断髄により歯髄の生活性を維持することが可能です。しかし、歯髄保存療法(部分断髄)を行うことにはデメリットもありますので、一か八かで歯髄保存療法を行うといったことは巖に慎まなければなりません。
歯髄保存療法を行ううえで最も重要なのは、術前、そして術中の慎重な診査・診断です。また、MTAなど薬の力で歯髄が治癒したり殺菌されることはありません。感染源の物理的な除去、そして確実な封鎖により処置は成功へ導かれます。
こちらもご参照ください
歯髄保存療法|レイス虫歯クリニック
八王子・西八王子の歯医者 レイス虫歯クリニック 院長 池田 洋之