知ってほしい虫歯のはなし

日本人の虫歯の現状
ご存知でしょうか
虫歯治療
日本は非常に豊かな国といえる反面、虫歯の罹患率は劣悪な状態です。そして、わたしたち歯科医師の仕事の多くが、一度治した歯の再治療です。当クリニックでは「不十分な歯科治療」こそ、再治療が必要になる原因だと考えています。
虫歯により歯を削り、歯の神経を失うことは大きな損失となります。歯の神経を残すためにも、虫歯になったときは早期治療が重要です。また、再治療が原因でさらに歯質を失うことがないように、予防にも力を入れて取り組みましょう。
なぜ歯を磨いていても
虫歯になってしまうのか
一般的に唾液量、口腔内の菌の多さ、歯質、口腔内細菌のフローラの違いなど差によって、一人ひとりの虫歯のリスクは異なります。
しかし、逆にブラッシングやデンタルフロスなどによる日ごろからのプラークコントロールにより、虫歯予防は可能です。
では歯を磨いていたりしても、虫歯になってしまうのはなぜなのでしょうか?
磨いていても、プラークが落とせていない

ブラッシング方法の問題がある可能性があります。
歯並びや歯の形は患者さんごとに異なりますので、歯科医院での予防歯科検診(歯のメインテナンス)と合わせ、ブラッシング指導を受けていただき普段からのオーラルケアの精度をしっかりと高めていきましょう。
磨いていても、プラークが落とせない環境がある

歯磨きをしていても虫歯に悩まされる方の多くは、歯並びの乱れや歯科治療による詰め物・被せ物に問題がある可能性があります。
歯並びに問題がある方は、矯正治療かブラッシングを工夫する必要があります。治療に問題がある場合は、虫歯や歯周病に再感染するリスクが高く、早期の対策が重要です。適切かつ質の高い歯科治療を受けるように努めましょう。
歯冠歯質のマイクロクラックが原因の場合

マイクロクラック(歯冠歯質の途中に発生した亀裂)が原因で虫歯進行してくるケースがあります。そして歯科治療がきっかけで、意識を変えてブラッシングを頑張っているのに、虫歯になってしまう方がいらっしゃいます。
その場合は、修復物の不備により力や負荷がかかり、歯が欠けたり割れたりしてしまい、そのクラックが原因で虫歯になってしまっている可能性が高いです。修復物の不備が想定される場合は、例えばオーバーレイのような適切なデザインでの再治療をご提案いたします。
また、修復物の不備により力や負荷がかかり、歯が欠けたり割れたりしてしまうことも多くあるのです。 修復物の不備が想定される場合は、咬み合わせの治療や補綴の再治療をご提案いたします。
治療の保証制度があります(条件あり)
科学的な根拠(エビデンス)は日進月歩で変わっていきます。当クリニックの歯科医師は修復物の不備や不適合をなくすために、知識や技術の研鑽を日々積み重ねています。
当クリニックでは、修復物の脱離や破損などの防止を徹底し、治療後に二次的な虫歯が生じた場合の保証もご用意しております。
(※条件あり、詳しくは料金表・保証ページの「保証制度について」をご覧ください。)
なぜ再治療を防止することが
大切なのか
再治療の繰り返しによる典型的な歯の悪化のステップ
歯の寿命に最も影響するのは、残存歯質量です。
どんなに治療技術が進歩しても削った歯を元に戻すことはできませんので虫歯治療を追うごとに歯は削られ、いずれ欠落してしまう可能性が出てきます。
- Step01
コンポジットレジン
- Step02
インレー(詰め物)
- Step03
抜髄
- Step04
クラウン
- Step05
根管治療の再治療
- Step06
再クラウン
- Step07
土台ごと脱離
- Step08
歯根破折
残存歯質の歯の予後への影響

根の治療で抜歯になった理由を調査した文献によると、約半数以上の59%が残存歯質の少なさが原因です。次いで32%が歯周病、残りの9%は根の先に生じる病気が理由となりました。
天然歯の歯質を失うことが、いかに抜歯のリスクを高めてしまうかがご理解いただけると思います。抜歯をせず健康な状態を維持するには、質の高い治療を早期に受診し、再治療の予防に努めることが重要です。
出典:
Failure of endodontically treated teeth.:classification and evaluation. Vire DE, J Endod. 1991; 17: 338-342
虫歯治療を繰り返さないために
虫歯治療を繰り返さないためになるべく初期の修復のタイミングで、不適合、デザインの不備を無くした治療を行うことが重要です。また2回目以降の治療では歯に負担をかけないための治療の選択をしていくことも重要です。
虫歯の進行とその診断
一般的な虫歯の段階をご存じですか

一般的にみられる虫歯の進行の図です。CO(前兆とされる要観察歯)~C4(最重度の虫歯)と5段階で表される図表です。
実はこの図表だけではそれでは歯髄を残せるかの治療方針は立てられないのです。
レントゲンだけでは判断できません
レントゲン画像だけでは、歯の神経を残せるかどうかを判断できません。虫歯が大きく深いから神経が残せないのではなく、検査結果や症状を総合的に精査し、神経の保存がどれだけ可能かを探る必要があります。
- 01
健全な歯の状態
毎日の歯磨きなどの予防処置、PMTC、シーラントを行い、虫歯が進行しないように観察しつつ、オーラルケアを行っていきましょう。
- 02
歯髄に影響のない虫歯
間接覆髄、直接覆髄、シールドレストレーション、ステップワイズエキスカベーションのいずれかを行い、直接修復(ダイレクトボンディング)か間接修復で対応します。
- 03
冠部歯髄の一部壊死
部分的に神経を残す処置(部分断髄)か歯頚部断髄、もしくは抜髄を施した後、間接修復を行います。
- 04
冠部歯髄の壊死
冠部歯髄の多くが壊死している場合は、歯頚部断髄、または抜髄を行ったあと、間接修復を施していきます。
- 05
根部歯髄まで壊死
根部まで壊死している場合は抜髄を行ったあと、間接修復を施していきます。
- 06
全部壊死
根管治療を行ったあと、間接修復を施していきます。
虫歯の治療法
直接修復(ダイレクトボンディング)と間接修復
切削後の虫歯治療は直接修復(ダイレクトボンディング)と間接修復に方法が分類されます。
また、歯肉と歯の溝からは常に滲出液が出ているため、歯肉付近まで歯質を削除した場合は直接修復は避けた方がいい場合があります。
よく比較で用いられる保険診療のコンポジットレジンは、コストは低く抑えられますが、変質、変色するため、再治療ありきの方法といえるかもしれません。
直接修復(ダイレクトボンディング)

直接歯髄では歯を削った箇所に、白いペースト状の歯科素材を流し込んで詰めます。光を当てると強度を保ちながら固まる性質があり、見た目や歯の機能を修復できます。
治療時、歯質の削除量が少なく済み、削った直後に充填するため再汚染が心配が無い、1回の治療で終わるなどのメリットがあります。
直接修復(ダイレクトボンディング)の注意点
コンポジットレジンは重合収縮する(接着の失敗のリスク)、隣接面の形態の付与が困難、水分を排除して充填することが技術的に難しい、変質、変色する恐れがあります。
間接修復(詰め物・被せ物)

間接修復とは、歯を削る量が多く、直接修復(ダイレクトボンディング)が難しい場合に行う治療です。「インレー」は一般的な詰め物、「アンレー」は歯全体の約1/2を覆うほど患部が大きい場合に用いる詰め物です。
隣接面形態の付与が容易で、重合収縮しにくいなどのメリットがあります。また、自由診療であれば、使用できる歯科素材の選択肢も広がり、さらに見た目や機能性にこだわることができます。
間接修復の注意点
修復物のため形を整える目的から歯質削除量が増えます。
修復物作製期間の再汚染、通院に2回以上かかるなどの注意が必要です。

虫歯治療専門の
歯科医院だからできること
当クリニックの虫歯治療へのこだわり
当クリニックでは虫歯治療・歯内治療(根管治療)を専門に扱う歯科医院として、虫歯・歯の神経・歯根に生じる疾患の適切な診断と治療の提供が可能です。精密さや正確性にこだわり、歯質や神経を可能な限り残し、歯の健康をサポートいたします。
虫歯のお悩みや歯内治療(根管治療)をご希望の場合は、ぜひ当クリニックにお任せください。
Feature.1エビデンスに基づいた世界基準の虫歯治療

歯科業界では、患者さんの負担を少なくすることを目指した新しい治療方法というものが定期的に紹介されます。しかし、研究が進み
十分に検証された方法ではなく、日本だけで盛り上がり、消えていくようなことも多々見受けられます。
当クリニックでは基礎研究がバックグラウンドで進み、治療結果が世界基準で認められた、エビデンスに沿った治療を選択し、提供するため、日々更新される情報や文献により、知識や技術を更新しております。
Feature.2できる限り歯髄(歯の神経)を残す「歯髄保存療法」

虫歯が進行した際も、重要な機能を持つ「歯の神経=歯髄」を残すための処置を歯髄保存療法と言います。 処置が非常に難しいものではあるのですが、歯髄保存ができるかの基準は近年、歯科医療技術の進歩により、急速に変化してきています。 歯髄保存療法の成功の鍵は、正確な診査・診断、確実な感染の除去、確実な封鎖の3つです。
歯内療法医は歯髄の専門家であり、患者さん一人ひとりの適した治療を提供いたします。
Feature.3できる限り歯質を残す「MI治療」

歯科治療において、数年前まで歯科治療の大部分をドクターの肉眼に頼っていたため、不必要に健康な歯を削ってしまったり、逆に虫歯を取り残してしまうなどの問題がありました。
当クリニックでは、虫歯治療にマイクロスコープを導入しています。マイクロスコープを使用することにより、肉眼の数十倍の視野下により治療の精度は高まり、不用意に歯を傷つけることも減るのですが、マイクロスコープ自体の取り扱いの難しさという問題点があります。
当クリニックの医師は歯内治療に精通しているため、マイクロスコープの使用に長けています。虫歯の悪い部分だけを削り、健康な歯を削り過ぎない治療(MI治
療)を高い精度で提供することが可能です。
Feature.4虫歯治療の成功の鍵「接着」

直接修復や間接修復、セラミックの装着時などには、レジンと呼ばれる歯科素材を使用して歯に接着させます。レジンは機能性の高い歯科素材ですが、わずかでも水分を含むと歯と接着できません。
レジンによる接着の成功には、「防湿」にこだわった処置が重要です。
当クリニックではラバーダムを使用し、患部のみを露出した状態で直接修復やセラミックなどの接着を行います。唾液など水分による影響をほとんど受けず、ダイレクトボンディング、セラミック修復の成功率が高くなります。
Feature.5少ない通院回数、短期間での「集中治療」
虫歯治療、根管治療において治療回数を多くかけることは、再感染の悪影響を及ぼすことがあります。その歯にとって、適切な処置時間を十分確保して診療を行いますので、不必要に治療回数を分けることはしません。
虫歯治療に特化した専門クリニックならではの診療システムです。
虫歯治療の症例紹介
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もし歯を失ってしまったら
自分の歯を生かす「自家歯牙移植」

自家歯牙移植(歯の移植)とは、親知らずなどの咬み合わせに関与していない自分の歯がある場合、ケガなどで歯を失った場所に移植する治療方法です。歯の状態が良好であれば、長期にわたって自分の歯を使い続けることができます。
歯を失った際には、入れ歯やインプラントを選択する前に、自家歯牙移植が可能かどうかを検討されることをお勧めいたします。
ブリッジについて

ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って土台を作る治療です。欠損した歯を補うために、橋渡しをするようにつながった被せ物を固定します。連結した被せ物が橋のような形であることから、ブリッジといわれています。歯を失った本数や場所によっては、隣接する歯を2本以上削ることもあります。
歯の欠損という病態を治療する方法ですので保険適応がございますが、すべての場合において保険が適用されるわけではありません。
歯を抜かずに残す方法

どれだけ治療技術が進んでも、天然歯を復元することはできません。
当クリニックでは、虫歯治療に加えて、歯内治療(根管治療)について専門的な治療を提供しています。歯内治療は、歯の神経を残すための治療や、歯を残すための治療のことです。
当クリニックでは、現代歯内治療の発祥の地と言われている米国ペンシルバニア大学歯内療法科の治療コンセプトに基づいた歯内治療を行っています。
虫歯治療後も
メインテナンスで予防

虫歯を治療し健康な状態を取り戻した後、今までと変わらない歯磨きだけでは、ケアとして不十分です。
お口の健康維持や再発予防をめざすには、治療後のメインテナンスが大切です。
毎日の歯磨きはもちろん、定期的に歯科クリニックを受診し、歯科医師や歯科衛生士によるメインテナンスをぜひご利用ください。
専用の治療器具で汚れを徹底的に除去し、お口全体の状態をチェックできるなど、より効果的な虫歯・歯周病予防が期待できます。