精密根管治療

歯を残す精密治療
精密根管治療
根管に侵入した細菌を除去し、歯を残す治療が根管治療です。
根管というのは、ひとつとして同じ形のものはなく、非常に複雑な形態をしていて、そこに細菌が入り込んでしまうと、すべての細菌を除去することが難しくなります。
当クリニックの院長は、北米式専門医養成プログラムを採用した日本国内唯一の教育プログラムを提供するPESCJ(ペンエンドスタディクラブインジャパン)の認定医です。
世界基準の基本コンセプトを遵守し、技術の研鑽を積んだ医師による予知性の高い精密根管治療を行っています。
根尖性歯周炎とは

根尖性歯周炎とは、歯根の尖端に炎症が生じ、膿が溜まっている状態の病気です。進行した虫歯はいずれ歯髄部分に到達し、細菌感染による歯髄炎を引き起こします。歯髄が死んでしまい(歯髄壊死)、歯髄がある髄腔と呼ばれる場所に細菌が留まり続けるのです。壊死した歯髄の腐敗も進み、歯髄壊疽の状態になります。さらに症状が悪化すると、血管が入ってくる根尖孔や周辺組織にまで細菌感染が広がります。その結果、根尖性歯周炎を発症するのです。
根尖性歯周炎の主な症状
- 自覚症状がない
- レントゲンで歯根の先に黒い影がある
- 噛むと痛い
- 疲れたときなどに浮いた感じ、痛みがある
- 歯茎に膨らみ(フィステル)がある
- 歯茎が腫れる
根尖性歯周炎の治療法
Feature.1マイクロスコープを用いた精密治療

根尖性歯周炎の治療で特に重要になるのが、細菌による再感染の防止です。
治療にはマイクロスコープを使用し、細菌により感染している部分のみを的確に取り除き、健康な歯質をできるだけ残す精密な治療を大切にしております。
また、唾液に含まれる細菌が再感染の原因にもなるため、術中はラバーダムと呼ばれるゴムのシートで口腔内を覆い、患部のみを露出した状態で治療を行います。根管内に唾液が侵入せず、周囲の歯に細菌が飛び散るリスクも抑えられるのです。
Feature.2外科的歯内治療

従来の根管治療で治らない場合、次の手段として外科的歯内治療へ移行します。
外科的歯内治療とは、主な原因となる根の先端を切除して、根の先から封をする方法です。
根管治療から外科的歯内治療までを含めると、かなり高い確率で根の先の病気を治すことができます。
根尖性歯周炎の予防法
Feature.1質の高い虫歯治療

虫歯にさせないようにブラッシングを頑張っていただくことがまず大切ですが、不適切な修復物のなされた処置歯は、ブラッシングでは二次的な虫歯は防ぐことができません。一度修復している歯は、その時点で歯髄(歯の神経)近くまで削ってあるので、直ぐに歯髄まで虫歯が及んでしまいます。後悔する前に、質の高い修復治療を受け直すことをお勧めいたします。
Feature.2歯髄保存療法

「歯髄」とは歯の神経や血管が集まる組織です。歯髄は刺激を感知して脳に伝達したり、細菌に抵抗する免疫細胞の防御機能があったりなど、歯を維持するために欠かせない役割を担っています。
当クリニックでは大切な歯を守るためには歯髄を残すことが欠かせないと考え、歯髄保存療法も提案しております。
Feature.3抜髄

虫歯により歯髄が全部壊死を起こすと、やがて歯根の先に「根尖性歯周炎」を発症します。根尖性歯周炎を発症するまえに専門的な根管治療を行うと、その成功率は非常に高いです。根管治療が残念にも必要となってしまったら、重症化する前に適切な根管治療を受けることをお勧めします。
根管治療において大切なこと
1診査・診断/意思決定

最も重要で、最も差が出る点です。
痛みは個人により感じ方が異なり、時に虫歯原因歯とはかけ離れた場所に痛みを感じることも少なくありません。たとえば、治療をしても痛みがひかない、その原因は何か、どうしたらいいのかを考え、判断するには経験や知識、専門性の有無が関わってきます。 特に、歯を抜くべきか、保存できるかの診査・診断で差が大きく見られやすいかと思います。
2基本コンセプトの遵守
当クリニックの考える根管治療の基本コンセプトは「多くのエビデンスを集め、現状どのようなことが最善かを検討し、それを遵守し治療に落としこむこと」です。実践の技術よりこの考えの根底を遵守できるかが大事なのです。
とくに重要なのは無菌的処置(隔壁、ラバーダム、術野の消毒、グローブ、ディスポーザブル、治療回数など)は取り決めたコンセプトに従い行っていき、何か一つでも省略などはしてならないのです。
3歯内治療(根管治療)のテクニック
根管はひとつとして同じ形のものはなく、非常に複雑な形態をしていることが、根管治療を成功に導くために技術の高さを求められる所以だと思います。
それらに加え、根管治療においても歯を必要以上に傷めない低侵襲な治療を行うにはさらに高い技術が求めらます。
また、難易度の高い症例、例えば「破折ファイルの除去」、「パーフォレーションリペア」、「歯根吸収」、「再生歯内治療」といった難症例も見受けられますが、そのどの症例に対しても当クリニックでは対応することが可能です。
4外科的歯内治療(歯根端切除術、意図的再移植)への対応
当クリニックではマイクロスコープを使った歯根端切除術、意図的再移植などのモダンテクニックにより90%の成功率が見込めると考えています。
虫歯治療・歯内治療(根管治療)を専門とする当クリニックでは、多くの症例に対応する機会がありますが、とくに近年来院される患者さんの中で再外科的歯内治療が増えています。
歯内治療は初期の段階で、専門の歯科医師による予知性の高い治療を受けていただくことをお勧めします。
無菌的処置の実際
歯内治療(根管治療)で特に注意しなければならないのが、「細菌を原因とする再感染」です。
根管治療の成功率を高めるには、細菌による影響を最小限まで抑えることが重要です。当クリニックが行う根管治療では、細菌の徹底的な除去はもちろん、細菌の混入を防ぐためにあらゆる手段を組み合わせております。
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隔壁
隔壁とは、コンポジットレジンなどの歯科素材を使用し、治療中の歯に壁を作る処置のことです。主に根管治療でこの方法を採用し、根管内の細菌侵入や再感染の防止をめざします。
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ラバーダム
ラバーダムという特殊なゴム素材を使用し、口腔内を覆います。患部のみを露出させ、治療中の根管内に、細菌を含む唾液や血液が入り込むのを防ぎます。
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術野の消毒
ラバーダム防湿後に、手術室をつくるように患歯含めてその周辺も消毒剤にて消毒します。
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グローブなどの術具のディスポーザブル
治療で使用するグローブは手術用の滅菌グローブです。また根管内で使う器具はなるべくディスポーザブルのものを用いています。
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治療回数
再感染のリスクを軽減させるため、根管治療に必要な治療回数は1~2回です。
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滅菌器(クラスB)による処理
当クリニックではクラスBの基準を満たした滅菌器をはじめ、ハンドピース滅菌器なども導入し、徹底した滅菌処理を行っております。
根管治療におけるMI治療
(低侵襲治療)

根管治療後の問題として多いのは、歯根破折です。歯根破折により、歯根が縦に割れてしまった場合は、抜歯せざるを得ないこともあります。歯根破折の原因は、歯質が少なくなってしまうことが最も大きく、そのため、根管治療にもなるべく歯を削らないMinimul Intervationの考えが近年は入ってきました。なるべく削らない根管治療は難易度が高いですが、なるべく削らずに根管治療を行うことは、歯内治療の専門医の使命だと思っています。
根管治療後の修復について

根管治療された歯の修復のデザインと、修復されたタイミングでその歯の生存率を調査した文献によると、根管治療後4ヵ月を超えて修復された歯は、4ヵ月以内に修復された歯の3倍の確率で抜歯されました。また、修復のデザインが不適切だと抜歯されたものが多くみられました。その多くは破折が原因でした。
根管治療を長期間かけて行うことは、再感染のリスクだけでなく、破折による抜歯のリスクを高くしてしまい、悪影響であることがわかります。また、根管治療後の修復のデザインも非常に重要であることも明らかです。
出典:
Eight-Year Retrospective Study of the CriticalTime Lapse between Root Canal Completion andCrown Placement: Its Influence on the Survival of Endodontically Treated Teeth
Isaac Pratt, DDS, MS,*Anita Aminoshariae, DDS, MS,*Thomas A. Montagnese, DDS, MS,*Kristin A. Williams, DDS, MPH,†Navid Khalighinejad, DDS,*and Andre Mickel, DDS, MS* J Endod2016;42:1598–1603
精密根管治療の症例紹介
ご紹介いただける歯科医院様へ

高度な歯内治療(根管治療)が必要な患者さんのご紹介を承っています。
ご紹介いただいた患者さんは、根管治療が完了後、必ずご紹介いただいた歯科医院様へお帰りいただき、ご紹介いただいた歯科医院様で歯冠修復を行うよう同意していただいています。安心して歯冠修復に進んでいただけるよう努めてまいります。
ご紹介いただける先生方のご負担を軽減し、患者さんには満足のいく根管治療を提供できる、当クリニック、貴院、患者さんの三者間がお互いに満足いただけるシステムと考えていますので、よろしくお願いいたします。
ご紹介状はこちらから
下記より紹介状をダウンロードしていただき、必要事項をご記入の上、FAXにてご送付ください。紹介状を受け取りましたら、内容をもとに、患者さんへ当クリニックよりご連絡いたします。