インビザラインとは
マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正とは異なり、透明なマウスピースを使用する治療方法です。この透明なマウスピースは視覚的に非常に優れており、見た目を気にすることなく矯正治療を進めることができます。
マウスピース矯正には様々なメーカーがありますが、その中でも「インビザライン」はアメリカのアラインテクノロジー社が製造した商標で、世界最大のシェアを誇ります。
2023年9月現在、100カ国以上で1600万人以上の患者さんがインビザラインを使用しています。インビザラインは高い正確性と審美性を備え、痛みや抜歯のリスクが少ないといったメリット様々なメリットがあります。
インビザラインの特徴
ワイヤーのない矯正
インビザラインは、Smart Trackと呼ばれる独自の素材を使用した透明なマウスピース型の装置です。これは矯正に適した素材で作られており、従来の矯正治療とは異なり、ワイヤーで引っ張るものやブラケットのような凹凸のある装置を使用しません。過去には成功率に関して慎重な考え方もありましたが、近年の進歩によりその精度は向上しており、当院でも本格的に採用しています。
痛みや違和感が少ない
マウスピース矯正は、ブラケット矯正において感じる歯の表面に装着されることによる口唇への違和感や圧迫感がないため、その悩みや懸念が一切ありません。ブラケットがないことで、治療中も快適な状態を保ちながら歯の矯正を進めることができます。
自分で取り外しができる
マウスピース矯正の大きなメリットは、装置が着脱可能であることです。特別なイベントや重要な場面で外したい時、マウスピース矯正は外しても問題ありません。結婚式や発表など、特別な日に装置を外したい場合、毎日20時間以上の装着が必要ですが、マウスピース矯正なら柔軟に対応可能です。ただし、長時間外す場合は歯科医師に相談し、指示に従うことが重要です。
清掃性も高く衛生的
マウスピース矯正は着脱可能なため、歯磨きなどの口腔ケアも今まで通り行えます。ブラケットがないため凹凸を気にする必要はありません。マウスピース自体は水や歯ブラシでの洗浄、入れ歯の洗浄剤やマウスウォッシュなどで清潔に保つことができます。また、2週間ごとに新しいマウスピースに交換するため、ナイトガードなどに比べても衛生的です。
食事制限がない
マウスピース矯正は食事中も取り外せるため、装置の着色を気にする必要がありません。ブラケット矯正ではカレーやコーヒーなどが着色の原因となりますが、マウスピース矯正は食事の際に外せるため、食事に制限がかからず、快適に矯正治療を進めることができます。
通院回数が少ない
通常、1〜2ヶ月に1度の通院が必要です。一方、マウスピース矯正でも調整がありますが、その回数は2〜3ヶ月に一度となり、通院の頻度が大幅に減少します。
金属アレルギーの心配がない
マウスピース矯正の素材には特殊なプラスチックが使用されており、金属は一切使用されていません。そのため、金属アレルギーの方や金属に対する懸念がある方も安心して矯正治療を受けることができます。
矯正しながらホワイトニングもできる
マウスピース矯正を受けている方には、ホワイトニングの施術がご希望の場合、マウスピースにホワイトニングの薬剤を入れ、矯正と同時にホワイトニングが可能です。別途の費用はかかりませんので、ご希望の方はお気軽にスタッフにお申し付けください。
このような方におすすめ
- これまでどおりに食事を楽しみたい
- 写真を撮るときに矯正器具の見た目を気にしたくない
- 頻繁に通院することが難しい
- 金属の装置は避けたい
- 痛みが気になる
口腔内スキャナーiTeroで
快適な矯正治療
「iTero Element(アイテロエレメント)」は口腔内3次元光学スキャナーで、当院では主にマウスピース矯正(インビザライン)を作製する際に活用しています。この光学スキャナーは特殊な光を歯に当て、即座に歯型を採取します。得られたデータは直ちにアメリカのアラインテクノロジー社へ送信され、治療開始までの時間を大幅に短縮します。
従来のシリコンによる歯型取りと比べ、この光学スキャナーは非常に快適で手間をかけずに歯型を取得できます。また、粘土のようなシリコンでの型取りによる嘔吐反射の問題も軽減され、短時間で患者様の口腔をスキャンできます。1秒間に6000枚のフレームを撮影するため、迅速かつ高精度に歯型データを3Dデータに変換します。この3Dデータはクリンチェックと呼ばれるマウスピース型矯正装置設計ソフトウェアに組み込まれ、即座に立体画像として確認が可能です。
iTero(アイテロ)の特徴
歯型を採るよりも快適
これまでの歯型取りでは「シリコン印象」と呼ばれるものを使用し、患者様の口腔内で数分間かけて歯型を取る必要があり、嘔吐反射のきつい方にとって苦しいものでした。しかし、「iTero Element(アイテロエレメント)」の導入により、短時間で安全かつ精密に患者様の口腔をスキャンできるようになりました。
高い精度
「iTero Element」は1秒間に撮影するフレーム数が6000枚と非常に高い精度を持っています。この高いフレーム数により、迅速かつ正確に歯型のデータを取得し、それを3Dデータに変換します。取得された3Dデータは即座にインターネットを通じてエンジニアに送信され、クリンチェックと呼ばれる矯正装置の設計ソフトウェアに組み込まれます。
自分の歯並びがすぐにその場で確認できる
「iTero Element」のスキャンには、おおよそ2~3分程度の時間がかかります。その後、数分で取得されたデータがモニター上で確認できます。このデータは様々な角度から詳細かつ正確な現在の歯並びの状態を見ることができます。
治療後の予測を見ることができる
「iTero Element」は、治療のシミュレーションをスキャンしたその場で確認できる機能が備わっています。スキャン後には、簡単なシミュレーションと、CTやレントゲンからの分析をもとにドクターが作成する正確なシミュレーションの2つがあり、治療後の歯並びや治療中の歯の動きを確認することができるので、安心して治療を始めることができ、また治療中のモチベーションも上がります。
3Dデータを基に矯正装置を作製
矯正装置の製作は、3Dデータを基にコンピューターで設計されます。このデジタル処理により、従来の歯型を用いた手法と比べて装置の精度が向上しています。特にマウスピース矯正では、マウスピースのフィッティングが向上しています。デジタル技術の導入により、患者様により適切で快適な治療を提供できるようになっています。
インビザラインで
使用する補助装置
アライナーのみの矯正治療が難しい場合は、以下のような補助装置や処置を行う場合があります。
アタッチメント
アライナーを歯に固定し、歯の移動を助けるための厚さ約1mmの突起物(ポッチ)です。歯と同じ色で作られており、目立ちにくいためそこまで気になりません。
エラスティック
アライナーに取り付けたボタンにシリコン製の輪ゴムを引っかけるもので、ゴムの力で歯の移動を促進します。
IPR(ディスキング)
歯を並べるスペースを確保するために行うディスキング(IPR)は、歯の側面をわずかに削る手法です。この削り方はむし歯治療のような大規模な切削ではなく、片側0.2~0.3mm程度、両側で合計約0.5mmを目安としています。つまり、ディスキング(IPR)は歯と歯の接触部分を必要な範囲だけ微調整する方法であり、見た目や歯の寿命に大きな変化をもたらすことはありません。また、処置中に一般的に痛みを感じることはほとんどありません。
インビザラインの注意点
1日20時間装着しましょう
治療計画通りに歯を移動させるためには、矯正装置の1日の装着時間を守ることが非常に重要です。装置を長時間着用することで、歯が予定通りに移動し、効果的な治療が行われます。逆に、装着時間が短いと治療の進捗が遅れ、治療期間が延びたり、装置が合わなくなる可能性があります。
通常、1日に20時間以上の装着が推奨されます。装置を外す際は食事や歯磨きのときに限定し、それ以外の時間はできるだけ装着するようにしましょう。
食事の際は矯正装置を外しましょう
食事をする際にマウスピース矯正装置は必ず外して下さい。食べ物が装置に付着すると、それが原因でむし歯や歯周病が発生する可能性があります。特に糖分の多い飲み物や食べ物は、歯の表面に残ったままになると、細菌の繁殖を促進し歯の健康に悪影響を与えます。
ただし、水を飲む場合は通常、マウスピースを外す必要はありません。
インビザラインを保管するときは専用のケースに保管しましょう
専用のケースに収めることで、ほこりや汚れから守られ、また誤って破損するリスクも軽減されます。食事の際や一時的に外すときは、ケースに保管しておくことで清潔な状態を維持できます。